引退決意まで

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    本日プレスリリースがありましたが、今シーズンでの現役引退を決意致しました。

    引退をいつから考えだしたのか、と問われるとハッキリしないのですが、ジロのあと、今後の目標について悩みました。

    「世界チャンピオンを目指します!」など目標を立てられるほどの自信家でもなく馬鹿でもない自分にとって、必要な今後の目標とは、現実的に「頑張れば届きそうと思える」目標です。それこそがモチベーションの源。

    しかし、それがなかなか見つからなかった。

    選手を目指したときからの夢であったヨーロッパチームのプロ選手として2年走り、サンレモで逃げて、ジロで逃げて、ガゼッタ紙に載り、今後これ以上のことを成し遂げられるのか、あるいは、今までとは違う姿勢で選手を続けてやりがいを感じられるのか、と自問自答を繰り返しました。

     

    もちろんチーム解散も多少は影響あったとは思います。

    プレスリリース内の大門さんのコメントにもありましたが、ぼくも、現状NIPPOだけに限らず日本人選手がプロコンチネンタルレベル以上で活動することは奇跡に近いことだと思っております。奇跡に期待するのもおこがましいですが、もしまだそのような幸運が僕に残っているのであれば、現役を続けようと考えていた時期もありました。

     

    選手個人の目標や、どこにやりがいを感じるかなんて千差万別。

    ツールドフランスになんて一切目もくれずに国内レースだけに集中する選手が今後どんどん出てきてもいいと思いますし、後輩選手の育成に一番のやりがいを感じる選手も素晴らしいと思います。(競争に負けて自然淘汰されなければ)

     

    だからこそ10代からヨーロッパの選手を目指し、遠回りはしたものの、一度も最終目標を見失わずに選手生活を全うできたというのは幸せな選手生活であったと思っております。

     

    正直に申し上げますと、10月上旬の段階で大方引退を決意しておりましたので、JAPAN CUPは「これが人生最後のレースだ」との決意を胸に走りました。

    「もう一生こんな多くの方々に応援されることなんてないんだろうなぁ」なんて今更に思いまして、ゴールはちょっと泣きそうになりました。

    やはり心から幸せな選手生活だったと思います。

     

     

     

     


    マルコ カノラについて

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      アフターパーティでのカノラのインタビューが痛快だったのでここで共有したい。

      自分は通訳として参加。

       

      Q.今シーズンを振り返ってみて。

      難しいシーズンだった。唯一の救いはおれより弱いやつがいたことだ。初山翔だ。ジロでは全ステージの3週間おれの後ろで走った。あるステージではおれが引っ張ってあげたことで彼はゴールにたどり着けた。とっても感謝していたよ。

       

      Q.ツアーオブユタのステージ優勝等のシーズン後半からの活躍について

      今シーズンの成績は忘れたほうがマシだ。転んでばっかりで悲惨だった。

      一番美しい勝利は2年前のジャパンカップだ。クリテとロードの両方を優勝できたのは本当に嬉しかった。

       

      Q.来季のガズプロム ルスベロへの移籍が決まっているが、来年の目標は

      まず最初の目標は彼らが何を言っているのか理解することだ。イタリア語とロシア語では違いすぎてわけがわからない。

      あとジロでは初山を倒す。

       

      Q.会場の日本ファンにむけて一言

      以前、イタリア人チームメイトが日本を離れるときに寂しくなった、と言っていた。いままさにその瞬間が自分にも来ている。ようやくその言葉の意味がわかった。外人であるイタリア人の自分のことをこんなにたくさんのひとが応援してくれるとは思いもしなかった。できれば来年も日本のレースを走りたいと思っている。「心からありがとうございます」(日本語で)

       

      パーティの雰囲気をしっかり読んで、笑いと感動を両立させた素晴らしいコメント。

      チームメイトなかでも、この2年間もっとも自分の近くにいてくれたのはカノラだった。

      カノラが自分をNIPPOに推薦した責任感を感じていたのかもしれない。チーム内で自分が少しむずかしい立場に立たされたときはイタリア人たちの前でも自分を擁護してくれたし、イタリア人選手と自分の小競り合いを仲介してくれたこともある。

      パーティが終わり解散間際にこれらの感謝を伝えると、なんと彼は泣き出した。

      自分の拙いイタリア語でたった数分間感謝を伝えただけなのに。

      そういう部分で感謝されるのが一番嬉しいんだそうな。

      ジャイアンみたいなところもあるけど可愛いところあるじゃない。

       

      来年はロシア籍のチームに行くのでお会いする頻度は落ちると思いますが、皆様これからもぜひ応援してやってください。

       


      プレ五輪について

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        走り慣れた多摩川を走るウチのイタリア人。違和感ハンパねぇ。

         

        先日のプレ五輪について。

        ジロのあと思うような練習ができない状況が続いていたので、まったく自信がなかった。ジロの疲れが抜けてないのか。それとも休んだ後まだコンディションが上がってきてないだけなのか。

        地元を走るコースだからこそ難易度は重々承知しており、ますます不安に拍車をかける。

        それが消極的な走り方に反映された。結果的にレースをしたのは先頭集団にいた20名ほどの選手たちだけで、そういう走り方こそ常に追いかけているスタイルである。

        レース半分ほどでもう追いつかないことは悟った。

        それでも「終わった」と投げやりにならずに、今後のレースのために最後まで緩めることなく走った。

        評価されるべきレースではない。それでもゴールできる確信もないままスタートしたレースとしては手応えは多少なりともあった。

        低レベルな話で失礼。しかし着実に一歩一歩、を信条にしている自分にとっては価値のあるレースだった。

        ジロのような活躍を、と期待し沿道から声援をかけてくださった皆様にはお礼を。

        いいコンディションで走るであろう秋のレースでは勝負集団で走る姿をお見せしたい。そう思います。


        GIRO2週目へ

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          ジロの影響力は恐ろしい。色々な偶然が重なったとはいえ、1日逃げただけでとんでもない知名度を得てしまった。なにかを成し遂げたわけではない。ただ逃げただけ。珍事でもなんでもない。

          プロスポーツ選手に課せられた使命とはいえ、日本でマイナースポーツの名もなき選手をやってきた身分としては正直困惑している。

          急に有名人になってしまったためにメディア対応やスポンサー対応などが舞い込み、スケジュールてんこ盛りの日々。

          自分の選手歴も10年を超えているが、この10年で受けたインタビューの総数にジロ期間のインタビュー数が並ぶくらいになるかもしれない。

          とにかく時間に追われる毎日。レースが終わってからホテルに戻るのが19時ごろ。マッサージを受けて、夕食を鱈腹食べて、睡眠時間を作らなければならない。

           

          一日中full gas(朝食から腹的に全開)なのに、さらにこの手の仕事が追加で舞い込んでくるのは辛い。しんどいと感じるときさえある。

          マリアローザには頭が下がる。毎日とんでもないスピードで(もっとも彼らはそこまで速く感じてないだろうけど)200kmほど走り、シャワーも浴びずに表彰を受けて、そのまま数時間プレス陣に軟禁されて。他の選手に比べて圧倒的に休む時間は少ない。

           

          そのような選手を差し置いて、自分のような若輩者がなにを厚かましい、というのは正論。

          もちろんこれもなんたる贅沢な悩みだ、ということは重々承知している。

          それだけの世界きっての大舞台。偉大な先生から頂いたお言葉通り、今自分は夢の中を生きている。


          Giro di Sicilia

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            参加した選手皆が大会まえに「シチリアは暖かいから!」と言われたはずだ。

            しかし蓋を開けてみれば1日たりとも暖かい日などなかった。現地民いわく1月ですら20℃近くあるらしいが、大会期間中は12℃程度。標高1000mほどまで上がって下ってのステージでは連日雨が降り、凍えた。固形物の補食は寒さで震えて噛むことができず、誰かに咀嚼して欲しいとまで願った(おっさんを除く)。顎関節症予備軍なのも職業病だろう。

            ここまでの寒さを経験する人間が世の中にどれほどいるか。

            今回は霧もトッピング。目視で確認できるのは目の前3〜4人まで。5人目は霧の中。土砂降りの雨で凍えながら時速80〜90kmで下るとさすがに正気ではいられない。5人目は霧のなか。 この先、右に曲がるのか左に曲がるのかもわからない。

            挙句の果てにシチリアの路面は超スリッピーときた。

            コーナーのたびにガードレール脇に倒れ込んでいる選手を目にする。

            もう知るか!!と割り切るしかない。

            このスポーツは安全第一の日本には向いてない、と同時に、まだ生きてると強く感じた。

             


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